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日々のたんなる記録とか


by gilarmin
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七月二日

サークルもなかったのでゆったりと読書。
友達からずっと借りっぱだった「となり町戦争」を読む。
BGMは昨日にレンタルビデオ屋、ビックベンで借りたCD、羅針盤の「いるみ」をチョイス。

ページ数の少ない、あっさりとしたものでありましたが内容は深刻に考えるととんでもないもの。

なんかの書評で読んだんだけど、まさに「実感することの難しさ」が描かれていて、個人的には、「世界と自分の結びつき」なんかを考えるようなきっかけを与えてくれた本になりました。

194ページ。
深い深い山の奥の、だれも足を踏み入れない森の奥で、轟音とともに老木が頽れたとしても、落雷が鳴り響いたとしても、聞くものとてないその音は存在しないも同然ではなかろうか。

この文も「実感すること」「体感すること」「存在すること」などのキーワードを象徴するような文。
この文、実は見覚えがある。

ハンナ・メーカという人の「失聴」という本に似た文があったと思う。

桟橋を打つ波も、それを聞く人がそばにいなければ、音がないのといっしょではないか?カモメの啼き声、風の歌、人の世のざわめき・・・・もし耳に聞こえないのであれば、それはほんとうに鳴っていることになるのだろうか?生活の音を聴く健やかな耳があっても、はるか遠くでたおれた森の樹は音をたてるだろうか?

これは「聴く」という行為に興味を持った、高校~浪人~大学初期の頃に読んだ本。ちょうどテクノというジャンルの音楽を真剣に聴き始めた頃。
マリー・シェーファーなどと一緒に紹介されていたので、おもしろそうだから読んでみたが、残念ながらどんなことが書いてあったかはほとんど覚えてない。

だけど今回のことでぼんやりと思い出されてきた。
こういうふうにいろいろリンクしていくから、人生ってやっぱり面白い。

BGM
 羅針盤 「いるみ」
by gilarmin | 2005-07-05 01:11 | 日記